フェリーによるセブからマニラへの船旅

セブ→マニラ船旅 - スルピシオ・ラインのキャビン・クラス乗船記

数年前にセブ島からマニラまで、約26時間かけて船旅をしたことがあります。 乗ったのは、最大手の船会社WG&A(現、スーパーフェリー)に次いで、大手と言われていた スルピシオ・ラインです。

船の運航スケジュールは、頻繁に変更があるため、直接、チケットオフィスに赴いて状況を確認した上で チケットを購入するのが望ましい、と聞いていたので、まず港の近くにあるオフィスに直接、赴きました。

最初は、 最大手のWG&A(現、スーパーフェリー)に足を運びましたが、あいにく当日にはマニラへの運行がありませんでした。 直接、チケットオフィスを訪れる前に、まず電話で確認するべきでした (T_T)

スルピシオ・ラインの船

そこで、次にスルピシオ・ラインのオフィスに赴くと、その日の夜にマニラ行きの船がありました。 大型客船は、値段によってスイート、キャビン、ビジネスクラス、ツーリストクラス、さらに一番、料金が 安いエコノミークラスといった具合に分かれています。エコノミークラスは、さらにデラックスタイプの エコノミーと、そうではないエコノミーとに分かれていることもあるようです。

その時、乗船したのはキャビンクラスです。 キャビンクラスは、通常、2人から数人を一つの部屋でシェアする形となります。 その時は一人旅だったので、誰か相手がいる方が退屈しないだろう、と思ったからです。

キャビン・クラスの当日チケットを購入後、しばらく時間をつぶしてから、 当日の朝チェックアウトした宿に赴き、フロントに預けてあった荷物を取りに行きました。 そして、出発時刻の2時間前に港の指定の桟橋にGO。

既に暗くなった桟橋には、乗船待ちの人がズラリと並んでいましたが、キャビン・クラスのチケットを 見せると、サッと行列の横を通してくれました。聞けば、乗船するお客さんの約90%は、 エコノミークラスだそうな。

キャビンクラスの様子

船は日本の中古船で、ところどころ日本語のプレートなどが目につきました。 乗船してキャビン・クラスの部屋で(左写真)バッグなどを整理していると、係員が部屋にやってきて、 チケットを提示するよう求められました。

ところが、確かに乗船時に見せたチケットが、なぜか見当たりません! 係員は ちょっと深刻な顔つきに・・・・・・・。

「おっかしいなぁ・・・」とボヤきつつチケットを探していると、係員は 「いいかい! これは非常に、ヒッジョーに重要な事なんだよ!」と さらにさらに険しい顔つきになり・・・・・・^_^; 

「こりゃ、どこかに落としちゃったのかな」と思いつつ、ふと ポケットを探ると、ありました、ありました(苦笑)。ようやく係員に顔もニッコリ。 でもまぁ、ちゃんと管理している感じが伺えて、かえって安心しました。

さて、相部屋となったフィリピン人は、予想に反して非常に物静か。 こちらから話しかけない限り全く話をしない方でした。 「フィリピン人でも、あまり話好きで無い人がいるんだぁ」と小さな発見がありましたが、 正直、かなり退屈しました。

ツーリスト・クラスの様子

というワケで、7人~14人が相部屋になるビジネスクラスや、 2段ベッドが並ぶドミトリーのような雰囲気の エコノミークラス(左写真)にすれば、退屈しなかったかなぁ、と思ったりしたものです。 でも、船によってはエコノミークラスの様子は悲惨の一言、だそうな.。若くて体力のある 方はどうぞ ^_^; 

夕食と翌朝の朝食は、チケット代込み。 しかも、食堂はツーリストクラスの食堂とは違う箇所にある ちょっとだけリッチな食堂でした。お味の方は・・・・・・・可もなく不可もなく、といった感じでした。

しかし、とにかくすることが無くて本当に退屈しました。相部屋となったフィリピン人は、ずっと部屋の ベッドにごろごろしていて、部屋に備え付けのテレビを見ており、寡黙そのもの。 しょうがないのでデッキに出て、波や近くの 島を見ていると、「日本人か?」と話かけてくるフィリピン人。聞けば、日本のJAICAの仕事で、 ベトナムに橋を作っていたことがあるそうな。

「とにかく時間に厳しいボスだった。でも、仕事が終われば、さぁ、みんなで飲むか! っていう感じの日本人だったなぁ」といった話を懐かしそうにしていました。ひとしきり 話をしてから別れて、一人でぶらぶらしていると、そのフィリピン人は一人旅のフィリピン女性をチラチラ 見ては近づき、盛んに話かけてました(苦笑)。

丸一日以上かけてマニラ港に近づくと、乗客の多くは携帯電話を片手に 電波が届くか盛んにチェックし始めます。テックス(日本で言うショートメール)です。

さて、時はすでに真夜中。約2時間遅れでマニラ港に到着しました。 港の付近は物騒だし、タクシーもメーター料金では行ってくれないだろうなぁ、と ちょっと憂鬱な気分。

すると、 商売の関係でいつも船旅をしているという、相部屋となった件の寡黙なフィリピン人が、 「朝まで、このまま船の中で過ごせばよい。追加料金もかからない」 と最後に有益なアドバイスをくれました! ありがとう!!