「ある理髪師の物語」「レコーダー 目撃者」「北(ノルテ)―歴史の終わり」@第26回東京国際映画祭
3本の話題・注目フィリピン映画が上映される第26回東京国際映画祭が開催! / 2013年10月17日(木)~10月25日(金)
2013年10月17日(木)~10月25日(金)の9日間、第26回東京国際映画祭が開催されます。会場は六本木ヒルズ(港区)内にあるTOHOシネマズ 六本木ヒルズおよびシネマート六本木。
今年で26回目を迎える東京国際映画祭(TIFF)は、日本で唯一の国際映画製作者連盟公認の国際映画祭です。今年も世界の優れた映画を上映すると共にに、アジアの新鋭監督の才能を世界へ発信!
期間中は「東京 サクラ グランプリ」を選出する同映画祭のメイン部門である「コンペティション」(15本)をはじめ、 日本未公開のエンタテインメント最新作をプレミア上映する「特別招待作品」、 アジア新鋭監督の長編映画2本目までを対象とした新設のアジア・コンペティション「アジアの未来」、 独創的な日本のインディペンデント映画作品に焦点を当てた「日本映画・スプラッシュ」、 世界各国の話題作を取り上げる「ワールド・フォーカス」の5部門を軸に開催されます。
「ある理髪師の物語」作品紹介
フィリピン映画に興味を持つ者として見逃せないのが、コンペティション部門でワールド・プレミア上映される「ある理髪師の物語」(Barber's Tales / Mga Kuwentong Barbero)です。
昨年の東京国際映画祭では、フィリピンの名男優エディ・ガルシアが孤独な老人を演じた映画「ブワカウ」(Bwakaw)の監督・脚本・製作を務めています。つまり、2年連続で同監督作品の登場です。
マルコス政権独裁下、素朴で貧しい村の床屋さんを舞台に繰り広げられる人間ドラマです。
フィリピンの名男優、エディ・ガルシアも「ブワカウ」(Bwakaw)に引き続き出演。 そして、今や大女優の風格さえ漂わせているユージン・ドミンゴが主演。 2013年9月の「第6回したまちコメディ映画祭in台東」で上映されたミュージカル・コメディ映画「アイ・ドゥ・ビドゥビドゥ」でも 準主役を演じ、油の乗った演技を見せています。
1972年マカティ生まれのジュン・ロブレス・ラナ監督は、フィリピンで最も権威ある文学賞「パランカ記念文学賞」 (11 Palanca Awards for Literature)を2006年に最年少で受賞。
2012年製作の『ブワカウ』(TIFF12受賞作)は、米アカデミー賞外国語映画賞のフィリピン代表作品にもなっています。
フィリピンでは2006年からGMA Television Networkで「Legacy」「My Beloved 」「One True Love」「Coffee Prince」 「My Husband's Lover」「Magpakailanman」など数々の人気テレビドラマを手掛けているヒット・メーカーです。
ジュン・ロブレス・ラナ監督はストーリーテリングの上手さには定評がありますが、本作品は新たな代表作となりそうです!
ある理髪師の物語 上映スケジュール
10月18日(金)17:40 ~ TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen7
10月21日(月) 10:30~ TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen6
※上映に際しては、ジュン・ロブレス・ラナ(監督/エグゼクティブ・プロデューサー/脚本)、ユージン・ドミンゴ(女優)、 ペルシ・インタラン(エグゼクティブ・プロデューサー)とのQ&Aが予定されています。
ある理髪師の物語 オリジナル予告編
ある理髪師の物語 作品データ
- タイトル
- 邦題:ある理髪師の物語 / 英題:Barber's Tales / 原題:Mga Kuwentong Barbero
- 監督
- ジュン・ロブレス・ラナ(Jun Robles Lana)
- 脚本
- ジュン・ロブレス・ラナ(Jun Robles Lana)
- キャスト
- ユージン・ドミンゴ、 エディ・ガルシア、 アイザ・カルサド、 グラディス・レイエス、他。
- 製作年/製作国
- 2013年、フィリピン、フィリピン語
- 上映時間
- 120分
- 関連サイト
- ジュン・ロブレス・ラナ監督のサイトJUN ROBLES LANA
- Facebook:Barber's Tales
- ツイッター
- ジュン・ロブレス・ラナ監督のアカウント@junrobleslana
「レコーダー 目撃者」(原題:Rekorder)作品紹介
新進気鋭のアジアの才能が集結する新ヤング・コンペティション「アジアの未来」(Asian Future)部門では、フィリピン映画「レコーダー 目撃者」が上映されます。
かつてフィリピン映画の黄金時代に撮影監督だった主人公は、映画館で違法な盗撮を繰り返す日々。ところが、路上の殺人をカメラに収めたことから事件に・・・・・。
ミクハイル・レッド監督は、1991年生まれの21歳というフィリピンの新進気鋭の若手監督です。10代の頃から数多くの映画ワークショップに参加し、これまでに6本の短編映画を作り、そのすべてが国内外の映画祭に出品という経歴の持ち主です。21歳で初の長編映画「レコーダー 目撃者」を監督しています。
ちなみに、2009年に開催された第22回東京国際映画にて「マニラ・スカイ」を出品したレイモンド・レッド監督は、ミクハイル・レッド監督の父君。短編映画「Anino」で2000年のカンヌ映画祭の短編部門のパルム・ドールを受賞したフィリピンの映画作家です。そんな映画一家に育ったミクハイル・レッドも、映画監督に・・・というフィリピンでは非常によくあるパターンですね!
「レコーダー 目撃者」 上映スケジュール
10月22日(火) 20:55 ~ TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen6
10月24日(木) 17:05 ~ TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen1
※上映に際しては、ミクハイル・レッド(監督/脚本/編集)、パメラ・L・レイエス(プロデューサー/クリエイティブ・コンサルタント)、シモン・ニコラス・ジュニア(プロデューサー) とのQ&Aが予定されています。
「レコーダー 目撃者」(原題:Rekorder) オリジナル予告編
「レコーダー 目撃者」(原題:Rekorder)作品データ
- タイトル
- 邦題:レコーダー 目撃者 / 原題:Rekorder
- 監督
- ミクハイル・レッド(Mikhail Red)
- 脚本
- ミクハイル・レッド(Mikhail Red)、イアン・ビクトリアーノ(Ian Victoriano)
- キャスト
- ロニー・ケソン(Ronnie Quizon)、 マイク・ロレン(Mike Lloren)、 ロウェル・コナレス(Lowell Conales)、 ベリンダ・マリアノ(Belinda Mariano)、 アール・イグナシオ(Earl Ignacio)、他。
- 製作年/製作国
- 2013年、フィリピン、フィリピン語
- 上映時間
- 90分
- 公式サイト
- Facebook:Barber's Tales
「北(ノルテ)―歴史の終わり」作品紹介
そして、日本公開が未決定の貴重な作品に焦点を当てた「ワールド・フォーカス」部門では、フィリピン映画界の鬼才・ラヴ・ディアス監督の「北(ノルテ)―歴史の終わり」が上映されます。
「北(ノルテ)―歴史の終わり」は、間違って殺人罪で投獄された男、そしてフラストレーションを溜めているインテリの真犯人。それぞれの人生の罪と罰をめぐる映画。
日本ではあまり馴染みのないラヴ・ディア監督ですが、1958年のミンダナオ島生まれで、これまでに監督した作品に「Batang West Side」(2001年)、「Evolution of a Filipino Family」(2005年)、「Heremias, Book One」(2006年)などがあります。
「Death in the Land of Encantos」(2007年)はヴェネチア映画祭オリゾンティ部門のクロージングを飾り、金獅子賞スペシャル・メンションを受賞。さらに2008年の「メランコリア」(Melancholia)はヴェネチア映画祭リゾンティ部門グランプリを受賞するなど数々の国際的な賞を獲得しています。
最新作の「北(ノルテ)―歴史の終わり」は、 第66回カンヌ映画祭(2013年5月15日~5月26日)「ある視点部門」や、 第38回トロント国際映画祭(2013年9月5日~9月15日)のマスターズ部門にも出品されています。
フィリピンの社会的・政治的状況を映し出す作家として知られ、本作品はドストエフスキーの「罪と罰」のフィリピン版とも呼ばれているそうです。
「北(ノルテ)―歴史の終わり」は実に250分!という長編映画ですが、フィリピンの怪物的映画作家ラヴ・ディアス作品としては“短い”映画だそうです。
「山形国際ドキュメンタリー映画祭」との共催上映です。
「北(ノルテ)―歴史の終わり」 上映スケジュール
10月21日(月) 13:00~ TOHOシネマズ 六本木ヒルズ Screen5
※上映に際しては、ラヴ・ディアス(監督/脚本/編集)とのQ&Aが予定されています。
北(ノルテ)―歴史の終わり オリジナル予告編
北(ノルテ)―歴史の終わり 作品データ
- タイトル
- 邦題:北(ノルテ)―歴史の終わり / 英題:Norte, The End of History / 原題:Morte, Hangganan ng Kasaysayan
- 監督
- ラヴ・ディアス(Lav Diaz)
- 脚本
- ラヴ・ディアス(Lav Diaz)、ロディ・ヴェラ(Rody VERA)
- キャスト
- シド・ルセロ(Sid Lucero)、 アンジェリ・バヤニ(Angeli Bayani)、 アーチー・アレマニア(Archie Alemania)、 アンジェリーナ・カナピ(Miles Canapi)、 ソリマン・クルス(Soliman Cruz)、 メイ・パナー(Mae Paner)、 ヘイゼル・オレンシオ(Hazel Orencio)、他。
- 製作年/製作国
- 2013年、フィリピン、フィリピン語
- 上映時間
- 250分
第26回東京国際映画祭の各部門紹介
- コンペティション
- 映画祭のメイン部門。2013年1月以降の長編作品を対象に厳正な審査を経た15本が上映。10月25日(金)のクロージングセレモニーで「東京 サクラ グランプリ」をはじめとする各賞を競います。
- 特別招待作品
- 日本公開前の最新作をプレミア上映。エンタテインメント性の高い作品が並ぶ部門。海外からは映画スターも来場!
- アジアの未来
- アジア新鋭監督の長編映画2本目までを対象としたアジア・コンペティション部門。最優秀作品には「アジアの未来」作品賞が贈られます。昨年までの“アジア発、世界へ、未来へ!”「アジアの風」部門を発展させ、日本から中東まで活気に満ちたアジア圏の映画作品を一早く紹介してアジアの才能を世界へ発信。監督・キャスト・スタッフも多数、来日。
- 日本映画・スプラッシュ(Japanese Cinema Splash)
- 昨年までの「日本映画・ある視点」部門をリニューアル。日本のインディペンデント映画から個性的で独創性とチャレンジ精神に富む作品を紹介。海外への飛躍を強く意識したリニューアル部門。国際映画祭プログラマーやプレス、バイヤーに積極的に紹介。
- ワールド・フォーカス(World Focus)
- 日本公開が未決定の貴重な作品、世界各国の映画祭受賞作や話題作、そして日本で紹介されていない新作に注目した部門。欧米の作品に加え、今年からはアジアの有力作品も上映! 台湾映画の特集上映も行われます。
- 共催企画/提携企画
- 東京国際映画祭の共催企画・提携企画として「第10回文化庁映画週間」では、ドキュメンタリー作品などが上映。
- 「みなと上映会」では、ファミリー向けのアニメ作品が上映。
チケット購入方法
東京国際映画祭のチケットは今年も「チケットボード」(ticket board)でオンライン(インターネット)および電話で販売。
また、映画祭開催期間中は各上映劇場の窓口で鑑賞日時のチケットを購入できます。
都営に乗って六本木の東京国際映画祭に行こう!プレゼントキャンペーン
都営地下鉄または都営バス「一日乗車券」を使って東京国際映画祭に行くだけで、先着1000名様にプレゼントが貰える「都営に乗って六本木の東京国際映画祭に行こう!」プレゼントキャンペーンが開催されます。
キャンペーンは10月17(木)~10月25(金)の映画祭開催期間。 対象となるのは、「都営まるごときっぷ」(大人700円/少児350円、通年販売)、 「都営地下鉄『秋』のワンデーパス」(大人500円/小児250円 販売期間:平成25年9月14日(土)~11月24日(日)までの土日祝日)、 「都営バス1日乗車券」(大人500円/小児250円)です。
プレゼントの内容は「映画祭オリジナルキーホルダー(テイジン製)」または日本茶「急須で入れたような味わいの綾鷹」1本。
後日、映画祭オフィシャルバッグを抽選で合計50名の方に当たるプレゼントもあります。
第26回東京国際映画祭の概要
- 期間:2013年10月17日(木)~10月25日(金)
- 開催会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ(東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内)
シネマート六本木(東京都港区六本木3-8-15) - 主催:公益財団法人ユニジャパン(第26回東京国際映画祭実行委員会)
- 共催:経済産業省(マーケット部門)、東京都(コンペティション部門)
- お問い合わせ先:
ハローダイヤル Tel:03-5777-8600(8:00~22:00)
IP電話:050-5541-8600(8:00~22:00) - 公式オフィシャル・サイト: 第26回東京国際映画祭
- Facebook:東京国際映画祭 (TOKYO INTERNATIONAL FILM FESTIVAL)
- ツイッター:@tiff_site