ベトナム女性監督のドキュメンタリー作品「ブアさんのござ」が小川紳助賞を受賞

アジアのドキュメンタリー作家を紹介・応援するコンペ「アジア千波万波」にてベトナムのズオン・モン・トゥー監督作品「ブアさんのござ」が小川紳助賞を受賞! / 2013年10月16日(水)

2013年10月10日(木)~16日(水)の期間、山形市で開催された「山形国際ドキュメンタリー映画祭2013」の「アジア千波万波」部門にて、ベトナムの女性監督ズオン・モン・トゥーさんの「ブアさんのござ」(Mrs. Bua's Carpet / Chiếc chiếu của bà Bứa)が「小川紳介賞」を受賞しました。

1989年に始まった山形国際ドキュメンタリー映画祭(YIDFF)は、ドキュメンタリー映画に特化したアジアでも数少ない映画祭の一つです。

「山形国際ドキュメンタリー映画祭」には、「インターナショナル・コンペティション」(Prizes for the International Competition)と、「アジア千波万波」(New Asian Currents Awards)という2つのコンペティションが設けられています。

「アジア千波万波」部門は、当初はアジア地域からの作品がほとんど見当たらなかったことから、アジアのドキュメンタリー作家を紹介・応援するコンペティション・プログラムです。

「アジア千波万波」部門の最高の賞である「小川紳介賞」は、日本のドキュメンタリー映画作家、小川紳介監督の意志を受け継ぐ意味を込めて設けられています。

さて、山形国際ドキュメンタリー映画祭は隔年で開催されていますが、2013年は、63か国・地域から608作品が応募。19作品が最終選考に残っていました。

その一つである「ブアさんのござ」は、現在、ベトナム中部のダナン市のベトナムテレビ(VTV)に在籍している女性監督、オン・モン・トゥーさんの作品。

山形国際ドキュメンタリー映画祭2013の公式サイトでは、以下のように作品が紹介されています。

かつてヴェトナム戦争時に対立していた隣人たちが、今では共生する小さな村。そこに暮らすブアさんの体には、米軍人から受けた拷問の後遺症が残っている。ブアさんや隣人たちが日常生活の中で語る戦争体験は村の記憶となって映像に刻まれる。
ブアさんのござ / Mrs. Bua's Carpet - 山形国際ドキュメンタリー映画祭2013

さて、「アジア千波万波」では、これまでにカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した河瀬直美監督や、あるいは今、世界の映画関係者が注目しているタイのやアピチャッポン・ウィーラセタクン監督なども作品を上映しています。 今後のオン・モン・トゥー監督の活躍が期待されています!

※オン・モン・トゥー監督が小川紳助賞を受賞した模様を報道する Thanh Niên Online

「ブアさんのござ」作品データ

タイトル
邦題:ブアさんのござ / 英題:Mrs. Bua's Carpet / 原題:Chiếc chiếu của bà Bứa
監督
ズーン ・モン・ トゥー(Duong Mong Thu)
製作年/製作国
2011年、ベトナム、
プロダクション
-
上映時間
カラー/35分

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